「粋」に落とす人。
桂竹紋さん。職業「落語家」
噺家を志して5年。熊本県出身の現在二ツ目、勢いのある落語家です。
東京の寄席は8カ所くらいあり、人口の割合と近年の落語人気も合いなって、満員御礼。竹紋さんは、東京の寄席の他に地元熊本で5カ所巡業している。
そのバイタリティーは何なのか。オチがあるか分からないが探ってみたい。
今回は9月29日に行われた「やまが温泉落語」のプレ落語会に行って参りました。
あんまり宣伝しなかったそうですが、結構な入りよう。やはり落語が人気だからだろうか。
・熊本の落語の人気はどうですか?
「正直、東京や大阪と比べると低いと思います。これは、人口と言うより風土や文化的なことだと思いますね」
・そうなんですね、確かに山鹿の八千代座での落語会はあんまり無いように思います。
「落語は東京だと浅草演芸ホール、新宿末廣亭じゃない所だと、一体感を出すために30人〜50人くらいの小さい部屋ですることも多く、ひしめき合ってる中でします。八千代座を埋めようと思ったら大変なんですよね」
・なるほど。だから今回は山鹿温泉「さくら湯」横の「池の間」でされたかったんでしょうか。
「私はですけど、落語はどこでもしたいと思っています。病院だったり、老人介護施設だったり、山鹿の八幡小学校にも行きました。あ、葬儀場ってのも」
・本当ですか?でも竹紋さんは、地元である熊本でも精力的にされていますよね?
「はい、今だと地元菊陽・熊本市本山・八代・菊池・で今回の山鹿です」
・多いですよね、何故そんなに熊本でされているんでしょう?
「一つは、熊本を盛り上げたいから。スミマセン、真面目で」
・いえいえ(笑)
「どこでも同じと思いますけど、落語は体験するもんじゃないですか。だから、その場所にしか来ない人が居るんですよ。だから結構近い場所の時もあるけど、そこでしか会えない御客さんが居ます」
・そうかもしれませんね、熊本の人は尻が重たい人も居ますから
「あとは、これは願いでもあるんですが落語をしたい人を増やしたいんです」
・落語家ってことですか?
「落語家でも、講談師でも、紙切りでも。ニッポンの「芸」というものを繋いでいってほしいと思っています」
「落語を見に来てくれる人って1万人と言われています。それを1万100人にしたいですね」
・それは何故でしょう?
「やはり落語に携わっている者の一人として、落語の素晴らしさを伝えたいです。特に若い人にですね」
・今日も若い人多いですよね?しかも女性の御客さん。
「はい、例えばプロの落語家は男性が多いですけど、アマ(アマチュア)の方は女性が多いんですよ。アマ(女)だからかな?」
・ハイハイ(笑)
「後はそうですね〜、、僕自身、落語という「芸」に救われたんです。だから、多分僕みたいな人って居ると思うんですよね」
・それはちょっと暗い話になりますか?
「(笑)ならないです。ホラ、僕は昔、地方タレントっていう時があったじゃないですか。あの時は今だから言えるんですけどやはり手応えというか、そういうものが無くて。そんな時、ある方が落語をしたら?と言ってくれたんです」
「そしてそれから桂文珍師匠のを聞いて。スゴイ笑わせていて。話芸ってスゴイな!落語ってすげえな!と正直に思いました」
・出会いってことですよね。そのある方が言わなかったら…
「してないですね。だから、ちょっとまとめに入りますけど、そんな人も熊本には居るんじゃないかと。落語に出会って幸せになる方が」
・字数の心配ありがとうございます。竹紋さんの噺にも時々ありますよね「与太郎さんという名前が出たから落語の始まりです」とか「誰か会わないかな?会わなきゃ落語が進まないんだけど」とか。アレは私はとても好きですね、一瞬現実と噺(創作)の狭間って感じがして。
「ああ、します!でも古典とかでしたら怒る師匠も居るんですよ」
・竹紋さんは社会ネタとか時事ネタとかもあって若い人には面白いと思います。イケメンだし
「(笑)そんなこと言ってもオチませんよ。オチは寄席の中だけです」
・あ、今度の10月19日(土)18時〜は「やまが温泉落語」さくら湯横池の間で開催ですね。
「そうです、一生懸命頑張らせて頂きますので良くても悪くても見に来てください。無理なことは言いません、笑ってくれるだけでいいんです」
・こちらは定期的にされると聞きましたが
「はい、出来るだけ毎月したいと思います。私が来れなくてもアマの方が来たり、山鹿に落語文化を作りたいと思っています」
・はい、いつか山鹿に永住されることを願っています(佐枝)