やまが温泉落語の作り方
落語に必要なモノは何か御存知でしょうか。
落語家!ハイ、勿論そうですね。他にないかー
「座布団」「扇子」そうですね、落語に必要なモノに「めくり台」というものがあります。「めくり=捲り」ですが、落語家さんの名前や演目が書いてあるアレです。
そして「太鼓」もあります。太鼓は臨場感を出しますよね。
やまが温泉落語で御馴染みの「桂竹紋」さんは、8月より山鹿市で定期的な「落語会」をして頂けるようになりました。※御仲間の場合もあります
そして折角なら本格的に行きましょう!ということで「太鼓」「めくり」を置くということになりました。
今回、山鹿市さんの御厚意がかなりあったのですが、物品の購入というのはNGです。それなら日本中の皆様の御厚意にも甘えようということで、竹紋さんが一肌脱いで頂けました。
Twitterで使わなくなった太鼓があるなら頂けないかと声を掛けてくれたのです。
その時の様子です→★コチラ
見事!太鼓を手に入れて頂けました(諸費用を払って貰ってます)。
ただ、太鼓も手に持って叩く訳にはいきません。太鼓の台が必要になります。
太鼓の台も高価なんですね、そして「めくり」もあった方が良い。
もうしょうがない!ということで、今年、新しく出来ました「建具屋」さんに御願いしました。
すると「いいよ!」と即答。アレヤコレヤで「出来た!」ということで見に行くことになった次第です。ここまでが「マクラ」!
では「本題」!夏の日差しが強い午後、コロナ禍宜しくマスクを着用して「古家建具工房」に行ってきました。
工房に置いてあったのは、栴檀(せんだん)の木で作ってある「太鼓の台」と「めくり台」
竹紋さんもマスク越しに驚きを隠せない御様子。
新町の太鼓を嵌めてみると、なるほど!合う。太鼓に合わせて作ってあるから合うだろうけど
『品もあって素晴らしい!』と竹紋さん。
バッチリ納まりました!打てば響くとは良く言ったものでして、新町の方から頂いた太鼓は、息を吹き返したように生き生きしているみたい。
そして「めくり台」も素晴らしい出来なのですが、今回は「めくり(紙)」が間に合わず。
作業も終わりましたので、工場内を見て回りました。
「古家建具工房」は、地元である山鹿市津留で今年1月から工場を建てられ営業されています。
以前は別の建具屋さんに御勤めだったんだけど、これからは親子三代でやっていかれるそう。
竹紋さんと古家さんはそんなに歳が離れていない。
竹紋さんが「あの、御代の方を…」と言われますけど古家さんは「要りません」と仰います。
「山鹿のためにしていただけるんだから、お金は要りません」と古家さん。
本来、竹紋さんは仕事にはちゃんと賃金を御支払いをするというのを信条にされているそう。まして、こんなに良いモノを。
しかし、古家さんの心情を理解し竹紋さんも「ありがとうございます」と言われました。
傍らで見ていると「職人さん」同士の「粋」な繋がりを有難く感じました。
建具屋は、御客が安心するモノを作り、落語家は、御客が楽しい時間を作る。
「これからも、何らかの御協力はしますよ!」と古家さん。
『あ、スミマセンもう一つ小さい方の太鼓の台を…』と竹紋さん。
「えっ!」と絶句する建具屋さんを横目で見て、口元が緩むのをしょうがないと思いつつ、無事に「サゲ」とさせて頂きます!
8月9日に開催予定でした「やまが温泉落語」は新型コロナウイルスの影響を鑑み「無観客寄席」となりました。
古家さんの作った「めくり台」は、画像のように納まりました!
文字も素敵だし、一気に雰囲気も本格的になったように感じますね。
竹紋さんも気合が入るのでは?古家さんありがとうございました!(佐枝)