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燈籠祭を考える会×山鹿市製材組合

金銀銅灯籠

金銀銅灯籠

2018年8月15、16日に山鹿灯籠まつりが開催された。
祭のフィナーレである神事「上がり燈籠」に山鹿市内の任意団体「燈籠祭を考える会」が参加した。

綾杉の搬出風景

綾杉の搬出風景

上がり燈籠を説明すると、町内や団体が「燈籠」を奉納するために灯籠師に燈籠の制作を依頼、出来た燈籠を神輿に乗せ大宮神社に奉納するのが習わし。

上がり燈籠で必要になるのが「神輿」と「燈籠」の2つである。

燈籠祭を考える会は、本年30年を迎える。
会員数は21人、全て男性の男衆で構成されている。
毎年啓蒙活動の一環でポスターとパンフレットを作成し配布していたが、30年を迎える本年「上がり燈籠を上げたい!」と同会長の荒木健二さんが発起人となり行動を開始した。

まずは神輿の制作だが、山鹿市製材組合の「地域材である綾杉の認知度を向上させたい」
という思いと、「地域材を祭りに活用することで祭りという文化に貢献したい」という想いから「ふるさとの森林資源活用促進事業」を県に申請。

受理された後に、三加和の宮大工であり燈籠祭りを考える会のメンバーでもある今村日出夫さんに神輿の制作を依頼し、材料となる綾杉は山鹿市製材組合のメンバーである「幸の国木材工業」さんの木場で良質な素材が選ばれた。

展示風景

展示風景

短期間であったが、見事に神輿は完成した。
綾杉の木目の美しさは、祭に凛とした風情を与えたよう。
祭当日も浴衣を着た女性の方や、いろんな世代の方々の目に止まり、燈籠祭を考える会としても「祭の本義を発信出来たことに悦びを感ぜずにはいられない」と言った会長の荒木さんの照れ笑いが忘れられない。

綾杉団扇

綾杉団扇

ここで閑話休題。

祭りに欠かせない団扇、これも今回、綾杉で挑戦しようと栗川商店さまに試作品の制作をお願いした。
紙のように薄く綾杉を製材し、丁寧に糊で貼っていく。
出来た団扇は、美しい木肌に、うっすらと杉の良い香りがする。

上がり燈籠のクライマックス

上がり燈籠のクライマックス

22時になると「ハ〜イ燈籠〜」と掛け声を上げ、山鹿市内各所から大宮神社境内を目指す。燈籠祭を考える会は、八千代座横から九日町の坂を下り大宮神社まで担ぎ上げる。

150キロ以上の神輿を、今回は城北高校の生徒4人も加わり石の階段も勇ましく見事担ぎ上げた。境内に入った後は、御祓いを受け燈籠を奉納する。

奉納後は、直会(なおらい)といって御祓いを受けたお神酒を、大宮神社横の広場で参加メンバーで呑み交わす。これで神事「上がり燈籠」は終了である。

金銀銅灯籠。中島弘敬氏制作

金銀銅灯籠。中島弘敬氏制作

30年という年月を、山鹿灯籠まつりに費やしてきた団体「燈籠祭を考える会」の暑い夏は終わった。
今回は「山鹿市製材組合」さまの御助力もあり、予想以上の情報発信が出来たと会長の荒木さんは言う。少しばかりの恩返しにと、荒木さんと山鹿市製材組合代表の立山豊寛さんで綾杉の苗木を大宮神社広場に植えた。苗木が大木になる頃、山鹿灯籠まつりはどうなっているのだろう。必ず今以上に…と想いを馳せ、来年の曜日の確認をするためにカレンダーをめくった。(佐枝)

※文章中「燈籠」「灯籠」と意味合いにより表記してます。



 

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