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山鹿ジーンズの裏側

山鹿“温泉ウオッシュ”ジーンズ

山鹿“温泉ウオッシュ”ジーンズ

「ジーンズの魔力」

・今日は、山鹿ジーンズを作っている3名の方に裏側をお聞きしようと思いましてやってきました。発売から3カ月経ちましたけど、いかがでしょうか。
平井(以下H):そうですね、御蔭様でいろんな方に話しかけられます。近所のおばあちゃんとか…
前田(以下M):はい、同じく。下通りのお寿司屋さんの板前さんに言われた時は驚きました。
関口(以下S):私は籠町通りのコンビニの店員の方ですね。
一同:(笑)

・では、3カ月経ちまして、売れ行きなどはどうでしょうか。
H:想定より、大分多い感じですね。こんなに売れるとは思っていなかったです。
S:そうですね。私はもう少しいくと思っていました。

・その要因は何だと思いますか。
M:一つは県内生産ジーンズだったから、というのが大きいと思います。ジーンズが持つ「魔力」と言いますか。本当に遠くから来て頂ける御客さまもいらっしゃるし、とても詳しくてお好きなんですよ。世代的にも、50前後のオジサマ達ですね。その方たちが私たちのジーンズを見て「こんなに安いの?」と言ってくれて、買って頂いています。
S:プロダクト(製品)は妥協せずに作りましたので、自信があります。

・他の要因はありますか。
H:もう一つは、地域性を取り入れたことでしょうね。私は旅館業もしていますので、よく営業に行くのですけど、例えば山鹿温泉の良さをPRしても、日本全国に多種多様な温泉はあるので、凌ぎを削っている状況です。その中でも、面白い取組やプロダクトを作ると話題になります。もちろん一過性のものでは面白くないので「産業」に成り得るモノが大切だと思います。あと地域性がないと、メディアさんも取上げにくいですよね。今回の広告費はほとんどかかってないです。それでも、テレビ、ラジオ、雑誌、新聞と取り上げて頂きました。

履き心地はいかが?

履き心地はいかが?

・なるほど。最初からそんなことを考えられていたんですね。
S:いえ、最初はそんな大それたことを考えていなかったと思いますよ(笑)私は、「儲ける」ことが大事と思っていますので、どうやったら売れるのか、価格帯をどうするのか、生産体制やお二人の機嫌取りなど…

・つまり、ブランディング的なことですよね。
S:はい。今の時代、作るのは資金があると出来ると思いますが、それを売っていくのが大変だと思います。私は、元々が山鹿の人間ではない者ですから、お二人とは違う視点になってしまうかもしれませんけど。
H:けど、それが良かったと思いますね。各々ですけど、視点が違うと思います。それでも、その視点が10人だったら無理だったでしょうね。まとまらない(笑)

・では、よく言われる「地域(まち)づくり」というモノとは違うことをされているのでしょうか。
H:うーん、、そうでなくて、地域づくりも儲からないと続かないし、何をしているか分からないということですね。ボランティアを否定するわけではないですけど、仕事を持っていて、その空いた時間で地域づくりをするって大変なことです。時間もお金も削るわけですから。
それでも八千代座やさくら湯だけじゃなくて、山鹿にはいろんな素晴らしいモノやヒトが居らっしゃいます。それを私たちは「山鹿ジーンズ」を使って紹介したい。

「ジーンズ=地域をつなぐ」

・なるほど、皆さんを繋ぐ「ツール」ということですね。だから協賛店を募集されたのですね。※山鹿ジーンズでは、腰の「パッチ」を協賛店に見せるとお得なサービスが受けられる

S:はい。私は、山鹿の生まれじゃないもので分かるのですけど、山鹿には優れたコンテンツがあり過ぎます。でも、なかなかPRというのが上手くいってないと感じていました。山鹿にどうやったら楽しく来て頂けるかということを考えた私たちの一つの答えです。
M:最近思うのですけど、山鹿の職人さんや飲食店もレベルは都会と遜色ないですよ。それで単価が安いので有難いと思っていたのですが、ジーンズを通して思ったのは、そういう素晴らしい人材をもっと地域外の人に自慢したいと思っています。
H:例えば私たちの地域づくりで大切にしていることで何かを行う場合の、ラインを決めるというのも大切だと思います。何を基準に決めているのか。何が目的で、何が成功(達成)なのかを予め決めること。
なあなあでするのは趣味でも成功になります。私は一応、経営者なのでそれを明確にすることが私の役割の一つと思っています。

会長・平井英智さん

会長・平井英智さん

・3人の、少し違う方向性は感じましたが、目標は同じということですね。
H:はい(笑)それは同じじゃなきゃ、やる意味はありませんので。
M:あと私は、好き嫌いをハッキリさせた方が良いと思います。ふわ〜っと八方美人な発言とか時間の無駄になるし後で取り返しのつかないこと(勘違い)にもなりますので。私は、話がサクサク早い方が好きですので。
S:弾丸みたいですよね。でも本当、ジーンズだけで言ったらスピードが大切だと思いました。話が来て1カ月目にはサンプル上がっていましたから。今年の6月にスタートで9月発売は早いです。
H:早かったよね、勢いというかモチベーションは大切です。まあそれも「野田商店」があったからこそ。
M:そうですね、この場所が無かったらジーンズの話も纏まらなかったでしょう。元々酒屋(酒場)は情報の発信基地ですよね。
S:それドラクエでしょ(笑)でもそうですねベース(基地)っていうのは必要だと思います。
H:今回はある程度信頼関係が構築出来ていて誰もマリさんに逆らえない(笑)
一同:(笑)

デザイン・関口和良さん

デザイン・関口和良さん

「気の合う仲間とやる秘訣」

・マリさんという方もメンバーなのですか。
H:GAFAS NEGRAS(グラファスネグラス)協会というので山鹿ジーンズは作っていまして、野田マリさんにも入って頂いています。マリさんは元々シャワー通りにあった超有名な古着屋の店員でしたからジーンズに詳しい。あと、数名の方に相談や今後のことも含めて。元々、彼ら(M、S)は八千代座の歌舞伎やその他事業を手伝ったりしていまして仲の良いメンバーが居ます、野田さんも彼らと仲が良かった。野田商店は「山鹿ジーンズの発祥の地」なんです。

M:私たちは40代なのですが、20年前がファッションバブルの終わりくらいでした。ファッションの派手な時代です、私も少なからず自分のオリジナルというのはいつか作りたいと思っていました。オリジナルを作ることが知名度向上と儲けに繋がりますから。
先ほども言われていましたが、それでも今はモノが売れない時代です。地域によってモノ自体の優劣はそんなには違いません。違うのは「付加価値」をどう持たせるか、どう売り出すかというのが重要なことだと思います。そんな中で新しい価値観を作り出せた「楽しさ」というのは、このメンバーだから出来たことだと思います。


・なにか楽しそうですよね。
H:楽しいことが大事だと思いますよ。楽しんで稼ぐのがこれからの地域づくりですね。

副会長・前田昌宏さん

副会長・前田昌宏さん

・では最後に山鹿ジーンズの来年の目標を御願いします。
H:そうですね。今は熊本県内の工場でジーンズを作って貰っていて温泉水で二次加工しているので、来年はそれを山鹿市内に持って来たいと思っています。私たちの目標は「雇用創出」です。今、一人雇用していますが、来年はもっと増やしたいと思っています。
M:はい、会長次第ですが(笑)空き家スペースを使って、縫製施設やギャラリー、コミュニティスペースみたいな情報交換の場を作ろうと話しています。
S:「グラファス・ラボ」ですね。
H:あとは、ジーンズをただ売るだけじゃなくて、山鹿に密着するような仕掛けをもっとしていきたいです。主婦(レディース)の方や企業の制服に使ってもらうとか、やっぱり地元の人に愛されるジーンズにしたいと思っていますので。
S:たぶん、年末までで300本近く売れますので、来年はその10倍くらい目標に。
M:無理なくしていきたいですね、みんなの健康に気を付けて。

山鹿ジーンズ発祥の地「野田商店」

山鹿ジーンズ発祥の地「野田商店」

・今日はありがとうございました。今後も「山鹿BEAT CHANNEL」では取組みを御紹介していきたいと思います!頑張ってください。(佐枝)



 

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