やまが温泉落語の素
よくよく調べていると、桂竹紋さんが山鹿のさくら湯で落語をされたのが、2015年の9月でした。その時は「桂竹もん」と言われてました。実に今から5年半くらい前のことです。
桂竹紋さんは、東京に拠点を移してからも、積極的に地方を回られています。その間も山鹿には来られてまして、小学校などに落語を教えに行かれてます。
2019年の11月、この年は「さくら湯開湯まつり」で香り家鉄扇さん、紙切りのはちみつ家ぷぅさんも来られての落語会でした。そして翌年の2020年の1月から定期的に落語会を開催しようということになりました「やまが温泉落語」の始まりです。
ここまでの経緯は間違ってませんよね?竹紋さん
竹紋さん(以下竹)「はい、概ね大丈夫です(笑)2015年の時に鉄扇さんはデビューされてます、さくら湯の休憩所横の通路の所を寄席にして。とてもスベってたのを覚えてます(笑)最近ではメキメキと力をつけられてます」
それにしても、こうやってさくら湯との関係性というか縁と言いますか、やはり引き寄せられるものが在ったのでしょうか?
竹「今、思えばですがさくら湯とは良縁だったと思います。後で御伝えしますけど、いろいろ御縁も頂いてますし。そして私は落語の枕(まくら)で言ったりするんですが、元々山鹿の造園会社で働いてましたから、すごく山鹿の方に御世話になったということがあります。今でも、私が乗っている車の車検は山鹿の会社に出しています」
それは義理堅い、ありがとうございます。それで、上の画像は、この山鹿BEAT CHANNELの編集長も写ってますけど、少し会議をした時のものです。俗に言う「まちづくり」という言葉があります。桂竹紋さんは「まちづくり」と違う世界にいらっしゃるかもしれませんが、どういう風に思われていますか?
竹「私は、新宿末広亭で高座がありますが、東北の福島にも行かせて貰うこともありますし、群馬の草津温泉も行かせて頂いてますし、熊本の球磨地方、天草、八代、植木町など結構地域に行かせて頂いてます。そこで思うのは「文化が根付いている所には“人”が居る」ということです。“人”が居ないと文化も根付かないし、そもそもの「まちづくり」なんてのは出来ないんじゃないですかねぇ」
なるほど、おっしゃる通りですね。人間ではなくて“人”ですね。熊本はどうなんでしょうか?落語文化的には
竹「そうですね、これは熊本地域すべてに言えることなんですけど、落語の文化は悲しいかな浸透は薄いですね。でもそれは今までがそうでした、ということですから。大体地域で落語をしだして根付くまで3年はかかります」
それで言うと、山鹿に根付くのは来年ですかね?
竹「そうですね、私はそう思ってます」
あ、ということは今まで熊本地方で落語文化が根付かなかったのは、定期的な寄席がなかったということもあるんでしょうか。
竹「それはあるでしょうね、有名な師匠(噺家)は1年に数回はいらっしゃるんでしょうけど、八千代座も最近は多いですよね。毎月とか毎週とかではないですね、それこそ熊本市内のお寺de落語は毎月あってますし、7年目になってます」
そうなってくると、その地域ではなくてはならないものになりますよね。
竹「はい、ですからやる方も腰を据えていかないと。そう言えば、私のさくら湯での落語を聞いて頂いて、山鹿市社会福祉協議会の方がDVDを作りたいと言って頂いたんです!コレ」
おお!素晴らしい、これはどういうことなんでしょうか?
竹「成年後見制度というのがあるんですが、せっかくなら楽しく制度を広めたいということで、御仕事を頂きました。ありがとうございました」
なんとも“粋”な職員の方ですね。でも、これは竹紋さんがやり続けていたからこそ生まれた産物ですよね、こうやって地域に溶け込んで頂いて嬉しい限りです。
さて、ではここからさくら湯の管理者の朝倉さんと香り家鉄扇さんにもちょっと加わってもらいます。
まさかのコロナウイルスということで、2020年1月に始まってどうなるか分からなくなった「やまが温泉落語」も、少しづつですが定着をしていってるように見えます。さくら湯の管理者である朝倉さんの協力も大きいのではないでしょうか?
竹「それはモチロンです、いつも笑顔で協力して頂いて感謝しております」
朝倉さん(以下朝)「いえいえとんでもないです、私は誰でも協力はしますから(笑)」
鉄扇さん(以下鉄)「でも本当にこのさくら湯横の池の間は素晴らしいと思います」
朝「そうですか、ありがとうございます」
先程の話に戻りますが「まちづくり」というので大切なことはなんだと思いますか?
竹「やはり“人”とあとは“無理をしないこと”だと思います」
竹「例えば、落語はどの地域でも1回2回は出来ると思います。でも回を重ねるごとに無理されると楽しくなくなるし、お互い大変になってくるんですよね。だから無理のない感じで続けて行かれることが良いと思います」
それはまちづくりにも言えることでしょうね。
朝「そうですね、一気に変わるよりジワジワ変わっていく方が山鹿にはあっているかもしれませんね」
鉄「お寺de落語も、その精神はあるかもしれません。お客が来なくてもいいやと(笑)」
竹「あと朝倉さんのように受け入れて頂ける“人”が居ないとそもそも続かないですし。でも今回のコロナウイルスではイロイロ大変でした」
朝「ここは公共の場ということもあるので、人数制限だったり体温計測、人と人の間隔だったりは必要なんですよね。でもちゃんとして頂いたので、安心できました」
コロナウイルスまん延防止も大切なのですが、せっかくお集まりですので、これからのことで何かありますか?
朝「鉄扇さんは社会人落語家で、他にも沢山いらっしゃるんでしょ?さくら湯の営業時間に合わせて落語をしたいですよね」
鉄「営業時間はどれくらいでしたか」
朝「朝の6時から夜の12時までです、18時間」
竹「18時間落語!!」
それは凄い!朝倉さん、スゴイことをサラッと言われましたね。
朝「どうですか?(笑)」
竹「いきなり18時間は難しいでしょうね、最初に6時間ぐらいしたらどうでしょうか」
朝「いいですね、6時間しましょうか」
スゴイ、する方向になっている。。
朝「あと、さくら湯が営業をしない日があるんですよ、その日に浴室でするとか」
竹「それも良いですね、スベっても水に流せますから」
朝「うまい!」
鉄「では、6時間落語をとりあえず考えます。いつくらいですか?」
朝「そうですね、やはり秋くらいでしょうね。来年がさくら湯10周年ですので」
竹「ではその時に18時間落語しましょうか」
朝「是非宜しくお願いします」
スゴイ話になってますが、大丈夫なんでしょうか。先程とは逆の話になってますが…
鉄「たまには無理をすることも大事です、個人的にはピンク落語をしたかったのですが」
竹「なるほどサクラ色ですからね」
本当に今年6時間落語は開催されるのか、また何か分かり次第御伝えします!(佐枝)